カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)

読了:1/31
なお所要日数としては三日。
みんなと同じに読めているわけないので、参考記録にしかならないけど。
 
さてとりあえず上巻を当時のキリスト教(ロシア正教)およびロシアの信仰のありようとみて
中巻下巻を上の記事のように「逆転裁判」として読みました。
とはいえもちろん「世界観の集大成」として観られているのでその辺にも思うところありました。
加えて中下巻は(そろそろ日本でも実行されるはずの)陪審員制度の問題点指摘に使えるものかもしれません。
 
で、どうして単なる「第一部・完結」の「未完作品」で、作者いわく「小説ですらない」ものだけを指して
ドストエフスキーの最高傑作」と評して恥じない人種がいるのでしょうか。
僕はまずそこに疑問を感じます。体験版FF7遊んだだけで「これはすごい」とか言ってるのと同じな気がする。
ああでも「体験版の範囲では超面白い」を「体験版の範囲で」とわざわざ言う必要もないと判断したのかな。
それならいいんだけど。
あと続編のあらすじを妄想するなら、
「アリョーシャが『カラマーゾフ』に染まって、ついでに社会主義の自己主張をして死ぬ」
というのしか、ないと思うんですが。ドストエフスキー的にはあるのかなあ。
 
まあいいや。口をすっぱくして言いますが、「記述された範囲に対する感想」です。
 
まずイワン萌え。
なにせ弟に対して自分の誇大妄想を存分に発揮して*1
しかも後にそれを思いついたことを後悔して黒歴史化し、悪魔(そう、悪魔)にそれを指摘されて
泣きそうになりながらマジギレする中二病の24歳男性なのだからたまらない。
そしてその「悪魔」は悪魔にもかかわらず「リューマチにかかる」という大変な俗っぽさを見せるので
これも愛の対象にしても構わないと感じます。「ニャルラトホテプ萌え」と同じだこれ。
 
あとスメルジャーシチャヤ萌え。
「完全に白痴の顔」で、まなざしが「少しも動かず、不快」と
最大限にエグい記述(しかも名前の意味は「悪臭のひどい女」)をされていながらも
公式に「愛されガール(すごい誤解を招く表現)」だったわけで、
(信仰によるものが大きいとしても)別に萌えることは普通だと俺は自分を正当化します。
つうか下手すると「一種特別な刺激」があるかもわからんしね。 ここまでいくと最低か。
 
そんでまあ宗教関連か。
やっぱ「愚かな民衆は優れた統治者によって導かれなければならない」というのは
個人的にずっと思ってることでそれは誰かっていうとやっぱり「俺以外いないだろうJK」なわけですよ。
つまり俺の意に沿うものが正義。
ただそれをやらかすには反発する人間の鎮圧とか大変なのでそういう方法の習得が必要で
大変な労力が必要なので事前の「優れた人間を投票で選出する」というシステムは大変気に入ってるのですよボカァ。
だもんで「メシアサマー」とかいってるのは「お前ら白痴か」とは思いつつも「投票の選出」なわけで、
若干の正当性を認めざるを得ないんですね。つまり僕はキリスト信仰者です。ああ大嘘だよ。
ただこう茶化しはしますけど、ぼくたちに与えられる試練は何のためにあるのかって考えられると
「自己を変える機会」を与えられていると考えて問題はないと思います。
「大いなる神のお遊びによって」なのか、「自己の選択」なのかは知りやしませんが。
「全知の存在」とか、「超越次元」とかはぼくの最近の考察テーマになってるので、
これはまたそのうちmixiにかきます。mixiにあげることに耽溺して内容の不備が出来るかも知らんのですけど。
 
で、ロマーンス。
精神的なつながりってあこがれるなー、とかその程度。
衝動に突き動かされること自体は公的判断にゆだねても場合によるし、
私的判断にしても場合によっちゃうので、結局好きにすればいいのでないかな。
ごめん適当だ。恋愛に対して真面目かってとそうでないと自分でも思うので、この辺はさじ投げさせていただく。
 
 
さて、瑣末ごとにいちいちこだわってこれはこうだあれはああだとか言ったわけですが
大枠でまとめて言うと「売れたのはすごい、でも別に普通じゃないかこれ?」ってのが今のところの感想です。
なんか矛盾してますが、「おじいちゃんになって失うものがなくなったから書けただけじゃないか?」
という疑念が頭から離れません。そういう考えから「似たようなものは自分でもかけるんじゃないか」と空想しております。
もちろん「それ相応の努力」は必要ですし、そうするかどうかは意欲の問題。
意欲は間違いなく欠けてるので、このままではダメですね。


「小学生の読書感想文乙」? フヒヒサーセン
ただまあ「正しい思想がある」なんて結論には至ってないので、
あくまでこれは「一回目」として、何度か読み直したほうがいいかもとは思ってます。
全部なかったことにするようで良くないかもだけど、一応日記だしねこれ。(言い訳乙)

*1:それが『大審問官』なんだからとんでもねえ